噴煙を読む通訳士

灰の空の下、手が新しい言葉をつむぐ。

あらすじ

噴煙が文字を紡ぐ灰色の王都――ミオは左手首に焦げた赤い布を結び、声の届かない者たちと、声だけで回る世界のあいだに立つ通訳士だ。噴煙が示す「三日後、都を閉じよ」という曖昧な命令をめぐり、王家や官吏は一義的な解釈を求めるが、ミオは訳を確定する前に当事者の手を見て三度数えることで、誰かの沈黙を奪わないことを信条とする。陶土で作られ胸に小さな蓋を持つ「口のない人形」、測量士のラウル、記録に抗うセナやトトらとともに、彼女は噴煙の欠けた主語を問い、避難と責任の所在を住民同士の手の交わりで再構成していく。噴煙と官吏の圧迫、坑道の危機、広場での公開審理といった緊張場面を軸に、言葉にならない声をどう伝え、誰の選択をつなぐかを描く群像譚。読みどころは、手話や物差しとしての人形を介した合意形成、そしてミオが「声を奪わない」訳者として下す選択の瞬間だ。

エピソード

  1. 第1話 序章
  2. 第2話 第1章
  3. 第3話 第2章
  4. 第4話 第3章
  5. 第5話 第4章
  6. 第6話 第5章
  7. 第7話 第6章
  8. 第8話 第7章
  9. 第9話 第8章
  10. 第10話 第9章
  11. 第11話 第10章
  12. 第12話 第11章
  13. 第13話 第12章
  14. 第14話 終章
  15. 第15話 巻末特別章
  16. 第16話 巻末特別章
  17. 第17話 巻末特別章
  18. 第18話 巻末特別章