学校新聞部で言葉の遅い少年と少女は一通の手紙を追いかける
紙に残る痕跡が、選択を問い直す。
あらすじ
放課後の古い新聞部編集室。言葉の出るのが遅い少年・蒼斗と少女・紡は、掲示板に貼られた差出人不明の一通の手紙を追うことを決める。二人には《共同で作ったものにだけ残る痕跡》を読み取る力があり、折り冊子や封筒に残る微かな波紋から、誰が、どこで手紙を扱ったかをたどっていく。だが噂は校内に広がり、生徒会や検討委員会が介入する中で、暴露と守ることのはざまで選択を迫られる。静かな作業と慎重な対話、紙とインクの匂いに満ちた学園の中で、彼らは誰の選択の余地を残すべきかを探していく。