星屑鞭の食堂長と冬至軍
味を失った食堂長が、合意のために手にした星屑の鞭。選ぶことの重さを問う物語。
あらすじ
ミカは避難所の食堂長。長年の習慣で味を確かめる指先は働くが、ある夜を境に舌から「味」が消え、感覚の一部を失っている。避難地を管理する軍隊「冬至軍」は端末と書類で住民の移動や配給を割り振り、人々の選択は締め付けられていく。ミカの手元には、星の欠片のように光る細い鞭──星屑鞭があり、仲間と合意した作戦を一度だけ現実化できる力を持つが、使用には代償と厳しい条件がある。制度に奪われつつある「選ぶ権利」をどう取り戻すか、鞭を巡る合意と裏切り、避難民たちの議論と決断が物語の中心だ。食堂の蒸気、夜の監視塔、投票や会議、列車や倉庫での緊迫した場面が繰り返され、主人公と共同体の倫理的選択が読みどころになる。