余白を運ぶ地図師――迷宮国の荷車は、世界の綻びを結ぶ

運ぶのは荷物だけじゃない。名と帰り道を綴る、小さな荷車の仕事。

あらすじ

真壁透は前世で倉庫と配送を担った三十歳の男。王都とその地下を巡る“道”が、測路院の帳簿と不規則な三拍子に支配され、そこから人々の「名前」や帰属が溶けていく世界で、透は荷車一台に記録と人びとの声を積んで動き出す。古地図を抱える測量士のミレア、槍を携えたセナ、耳に敏い獣人のトトらと共に、崩れる石橋や逆さまの市場、呼吸する壁といった迷宮のような街路を渡り、消えゆく名を収める帳簿や針の謎に迫る。測路院の封鎖と長官の理屈が立ちはだかる中で、透は前世の職業的勘を頼りに、記録と人々の朝を守ろうとする――物流の手順と奇妙な魔性が交錯する群像譚。

エピソード

  1. 第1話 序章
  2. 第2話 第一章
  3. 第3話 第二章 橋渡しの青
  4. 第4話 第三章
  5. 第5話 第四章
  6. 第6話 第五章
  7. 第7話 第六章
  8. 第8話 第七章
  9. 第9話 第八章
  10. 第10話 第九章
  11. 第11話 第十章 名前を切った測量針
  12. 第12話 第十一章
  13. 第13話 第十二章
  14. 第14話 終章