夜行列車の車掌
記憶を読む代償、白い切符が示す行き先。
あらすじ
蒼井時雨は夜行列車の若き車掌。彼の仕事は乗客の切符に触れて〈未練〉の断片を視ること――だがその代償に、自分の記憶や感覚が少しずつ削られていく。列車には規則と仲間たちがあり、硝子、九条珀、鶴見らとともに、消えゆく名前や記憶をめぐる不可解な現象〈余白印〉の拡大と、それを生む装置を追う。白い軌跡をたどる終着灯の町へ向かううち、列車は時間保持局の監査や消去者の影と衝突し、時雨は自身の白紙の切符と鍵片の謎に迫っていく。記憶と約束、代償を巡る探索と対峙が交錯する、幻想的で静かな緊張を孕んだ物語。