関所の娘将軍
印と石が問い続ける、帰る権利と代償。
あらすじ
白潮関を仕切る桐屋の娘・紗良は、通行を証す「通行印」と顕現の残滓である小石、そして首に結ぶ糸紋を手がかりに、村の「帰る権利」を守る役目を負う。中央からの印制度改革や印商派の利害、さらに黒氷勢力の軍事的圧力が同時に迫る中、紗良と仲間たちは古文書の断片を手繰り、石と糸紋を用いた非消耗化の儀式で人々の帰路を再編しようとする。だがその手法は効力を生む代わりに、守り手に重い代償を課すという厳しい選択を伴う。政治と儀礼、日常の間で揺れる関所の人々の葛藤と、儀式の緊迫した場面が読みどころの一つだ。紗良の決断が関所と周囲の未来をどう紡ぐのか、その行方が物語の中心になる。