鐘守りの大河
一打が記憶を、谷を問い直す
あらすじ
時瀬の谷を流れる大河の畔で、暦を告げる古い暦鐘を守る若き鐘守・璃央。暦鐘の残響は過去の記録を呼び出す力を持つが、使用するたび個人的な記憶が失われるという代償があった。外部の勢力と内部の対立が激化する中で、谷は暦鐘の扱いを巡る公開と封印の選択を迫られ、璃央は鐘を打つか言葉と証拠で戦うかという苦しい決断に直面する。仲間の書士、鋳工、兵とともに欠けた紋様や失われた頁の断片を追い、谷の未来と自分の記憶の境界を探る物語。葛藤の深さと、記憶・記録・共同体の責任を問う読みどころが続く。