潮汐王女と終わりなき設計図
青い線が示すのは、誰を守るかの答え。
あらすじ
海底王国アルネアの王女リュネリアは、潮の音を内側で聴き、青い設計線として流れを視る不思議な力を持つ。主環流の崩壊と資源不足が迫るなか、宰相ヴァルグは限られた者を選んで保存する冷徹な「選別方舟」を進める。一方でリュネリアは、忘却の断片を抱えながらも工房の技師や舵手、護衛とともに、小さな方舟と航路を設計し、誰を守るかという倫理と現実の狭間で決断を迫られる。技術と共同体の営み、海の声に向き合う緊迫した工房・甲板描写が読みどころの一作。結末は、選択の重さと記録の意味を読者に問いかける。