魔王軍の見習い参謀は、戦場に白旗ではなく食卓を描く
鍋と帳簿で、誰も見捨てない道を探す
あらすじ
トオル・ミズシロは、魔王軍の補給隊に付く見習い参謀として戦場の裏側に配属された。灰色の印の押された帳簿と地図を手に、人々が恐怖に沈む現場で「役割」を与え、動ける道を作ることで、誰もが明日を選べる余地を残そうとする。倉庫や境界市場、診療所や駐屯地を舞台に、井戸や水路を守るための地下工作、補給の不正や上位の命令との衝突、そして大鍋を囲んで敵味方が一時の共同を作る場面が描かれる。軍命令と民の命の狭間で、トオルは帳簿と鍋と仲間たちを頼りに苦渋の選択を迫られる。その手腕と小さな犠牲が、戦場の「日常」をどう守るのかが読みどころだ。