追放勇者の灯台工房
灯りは誰のものになるのか――霧の港で繋ぐ小さな光。
あらすじ
元・夜間設備員の水城透は、追放された身でトオル・ミナトと名乗り、霧深い港町セレネへと歩を進める。折れた歯車や詰まった水路を直しながら、彼は半獣の罠師リゼ、声を失った鐘抱えのガランらと出会い、灯台を再び動かして町に『戻れる明かり』を残すことを目指す。だが灯の在り方を巡って、命を核として光を生む古い技術と、人々の心を分け合う共晶式という選択肢が立ちはだかり、王宮側のヴァルドは灯りを管理・配給しようと動く。機械的な仕事描写と静かな信頼の積み重ね、灯りをめぐる倫理的な葛藤が本作の読みどころだ。