小さな牧場の酪農家は静かな再出発を選ぶ
道具が教える、疲れと選択。
あらすじ
佐渡耕一は小さな牧場に戻り、古い道具や食材を丁寧に手入れすると“使う人の疲れ”が一度だけ可視化される不思議な力を持っている。町では行政による「効率化」や土地測量の話が進み、測量杭や説明会の知らせが村の暮らしを脅かしていた。耕一と仲間たちは、力の代償(使いすぎると眠れなくなるなど)を抱えながらも、公の場で自分たちの暮らしをどう守るかを巡って議論し、説明会や公聴会、共同作業を通じて互いに支え合う道を模索していく。静かな牧場の描写と、道具が映す一瞬の像が導く人々の選択が読みどころの一冊。