蒸潮天航ヴァルカノア
蒸気の鼓動が、雲の下の道を呼ぶ。
あらすじ
十六歳の操舵士ミナト・アークは、真鍮の継ぎ目と蒸気の唸りが支配する雲海ラグーンを航行する老朽貨物船ヴァルカノア号の舵を任される。貨物庫に横たわる黒い幼獣ノアクは胸に小さな蒸気核を抱え、その脈動は地図にもない下層への道筋を示す。帝国の鋼鯨艦が港を封鎖し、旗艦グラウムの圧力が迫る中、船長ガレオンや調律師リュネらとともにミナトは“下へ向かう”決断を迫られる。蒸気の調律、裂け潮や逆さ港、雷雲の峡路といった危険を越え、原初炉へと続く雲海の深みで仲間と幼獣の秘密を探る航海が始まる。彼らの選択と連帯が試される、蒸気と雲の上の冒険譚。