火封じの騎士
名前を呼び、記録する――火と向き合う新しい仕事。
あらすじ
前世の記憶を持つ若き候補生レオンは、掌に刻まれた灰色の三本線で“火”を封じる力を持つ。王都や村、坑道で起きる不審な出火と、琥珀色の小さな燈子(とうし)やそれを巡る記録――『空炉』と呼ばれる帳簿の謎が、彼と仲間たちを動かす。教官補佐ミレア、書記のセレネ、紙に燈子の声を写すノアらと共に、被害の記録を残し、封じた火の「理由」と「願い」を言葉にして返す組織を作っていく過程で、国家や旧体制との対立、黒い種火という異質な脅威が浮かび上がる。炎をただ消すのではなく、名前を呼び、記録し、責任を分かち合うことをめぐる葛藤と救助の現場を描く物語。